水素医学について

注意!!活性水素、マイナス水素イオン、プラズマ水素、水素吸蔵サンゴ、水素吸蔵ゼオライト、と記載されているものや、「水素水」と称したペットボトルの水は、分子状水素、水素ガス、水素水とは別物で 私の研究成果とは全く無関係です。 消費者の方は、インチキ商品に注意しましょう。

(topics142)水素医療、大きく一歩前進:パーキンソン病患者への水素水の投与(2016.12.20)
(topics141)水素医療、大きく一歩前進:心停止後の水素吸入療法が厚生労働省の先進医療Bとして承認(2016.12.20)
(topics134)水素水の国際的標準(ISO)認証へ向かって(2016.10.3)
(topics133)中国泰山大学 水素生物医学研究所の設立(2016.10.3)
(topics132)中国の水素医学生物学会への出席(2016.10.3)
(topics101)水素医学に関する臨床論文の発表:こんなに進んでいる臨床試験(2016.03.10)
(topics77)心停止後の脳へのダメージ 水素が抑制(2014.11.27)
(topics70)水素健康医学の現状と今後:Nature Medicine論文発表から6年(2013.5.1)
(topics69)水素の測定結果は正しく解釈しないと弊害が大きくなる。(2013.5.1)
(topics68)水素の測定法(2013.4.16)
(topics66)私の研究成果と関係ない項目に、「プラズマ水素」も加えました。(2013.4.3)
(topics63)第3回分子状水素医学シンポジウムの開催(2013.1.28)
(topics60)麻酔薬の副作用を水素が軽減(2013.1.28)
(topics58)第16回日本医療ガス学会で、水素ガスの効果について講演(2013.1.28)
(topics54)水素治療による心肺停止後の効果(2012.10.22)
(topics53)「水素の効果」の特許が成立しました(2012.10.9)
(topics40)分子状水素医学シンポジウム(2012.2.20)
(topics27)第二回分子状水素医学研究シンポジウム開催のお知らせ(2011.12.5)
(topics26)水素医学の現状:臨床試験が進んでいます。(2011.12.5)
(topics20)水素水によるミトコンドリア病改善の論文が発表(2011.10.7)
最近の論文発表(酸化ストレスからの軟骨保護)(2011.9.21)
最近の論文発表(水素による放射能防御)(2011.8.4)
水素医学への発展(2011.8.4)

水素医療、大きく一歩前進:パーキンソン病患者への水素水の投与(2016.12.20)
 心肺停止や脳梗塞などの急性の病気には、水素ガスの吸入が有効であるとする研究が進められて、厚生労働省の先進医療Bにも承認されました(参照)。
慢性の病気には、安全で安価で日常的に摂取する事が可能な水素水の飲用が適していると、考えています。
すでに、パーキンソン病の水素水の飲用治療のパイロット研究結果は、有効性ありと2013年に報告されました。
もっとも信頼できる医療研究としては、研究方法など、すべてを詳細に事前に発表する事が求められています。途中や事後にごまかす事ができないようにするためです。
パーキンソン病の水素治療法は事前に、BioMed Center Neurology (BMC Neurol.) 2016;16:66. に報告されています。
14病院178人のパーキンソン病患者を対象に二重盲検試験で、72週間水素水1リットル(対象は水素を含まない水1リットル)を飲ませた効果を検討しようとする研究方法の詳細が論文として公表されています。この論文は、誰でも無料で読む事ができます。
https://bmcneurol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12883-016-0589-0
すでに、水素水を飲ませてから80週間を終了しており、現在解析中です。
水素医学は、一歩一歩着実に前進しています。関係者の御努力に最大限の敬意を表したいと思います。結果が楽しみです。

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水素医療、大きく一歩前進:心停止後の水素吸入療法が厚生労働省の先進医療Bとして承認(2016.12.20)
 水素吸入治療法が厚生労働省の先進医療Bとして、2016年11月30日に承認されました。心肺停止後の蘇生後に患者に水素ガスを吸入させ、生命を護り、さらに脳機能を護ることで、社会復帰をめざす革新的な治療法です。
先進医療とは、先進医療技術審査部会によって、有効性・安全性・必要性などが厳しく審査され承認されるものです。特に、先進医療Bは、先進医療Aよりも厳しく審査され、「医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」です。 先進医療は、将来的に健康保険適用の医薬品として承認されることを前提として開発段階の治療が行われるもので、水素が医薬品として認可され、実際の医療に使われる道が大きく広げられました。また、先進医療の段階でも、水素吸入以外は健康保険を使う事が可能になります。
水素ガス濃度は、安全な2%を使用し、20医療施設、360人の患者を対象とする予定で、本格的な医療研究となります。
水素医学は、一歩一歩着実に前進しています。関係者の御努力に最大限の敬意を表したいと思います。

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水素水の国際的標準(ISO)認証へ向かって(2016.10.3)
先日、中国の山東省の泰安市で行われた第三回中国水素医学生物学会の期間中、私も含め日本・中国・韓国・米国の研究者5名が中心となって水素水の国際的標準化へ向かって、International Hydrogen Standards Association (IHSA)を設立しました。ここで、世界で唯一の水素水の標準を決め、国際的な認証を得ようとするものです。中国・韓国でも水素水に関しては怪しい商品が出回ってきているので、ちゃんとした製品を国際的に標準化する必要が生じてきたからです。科学に国境はありません。
世界の製品の標準でもっとも権威と信頼がある認証は、国際標準化機構(International Organization for Standardization、略称 ISO)によるものです。ISOは、国際的な標準である国際規格を策定するための非政府組織で、スイスのジュネーヴに本部を置きます。ISOでは、ほぼ2万ある規格は、工業製品や技術から、食品安全、農業、医療までの全ての分野をカバーしています。
そこで、IHSAで水素水の標準を決め、ISOに認証していただくように働きかけます。幸いなことに5人の中心メンバーの中には、ISO認証に深く関与した経験をもつ科学者もいるので心強いかぎりです。こうすれば、ちゃんとした水素水には、ISOのマークがつくことになり、消費者も商品の選定に困ることはなくなるはずです。

中国泰山大学 水素生物医学研究所の設立(2016.10.3)
昨年、中国の山東省泰山大学には、水素医学の研究所が設置されました。産学官の共同設立です。所長の泰教授(Qin教授)は、昨年も日本に招待し、親交を深めてきました。
この研究所では、基礎医学と臨床試験が精力的におこなわれており、これからは臨床試験に力を注ぎ、1万人を対象とした水素水の臨床試験を計画しているとのことです。中国パワーには圧倒されます。
表敬訪問では大歓迎をうけ、大学としても水素医学には大きな期待を寄せているとのことで、これから、水素医学の世界の中心となっていく予感がしました。

中国の水素医学生物学会への出席(2016.10.3)
9月25日に中国の山東省泰安市で、第三回目の水素医学生物学会が開催され、招待講演をしてきました。約300名の参加で、活発な雰囲気でした。参加者の国別では、日本・韓国・米国・マレーシアです。中国を訪れる度に、中国の研究レベルの向上には驚かされます。若い研究者も着実に育っています。論文数ではとっくに中国に抜かれており、「質では日本は負けないぞ」といっても、やせ我慢をしているような気がしてしまいます。
山東省教育庁と泰安市政府が主力単位(主催という意味か?)ということで、政府が学会へも積極的にバックアップしているようです。科学には国境がないので、水素医学の創始者として高く評価され、学問が発展するのはたいへんうれしいのですが、日本の状況を考えると、少しだけ悲しくなった中国の学会参加でした。
なお、11月には韓国での水素医学のシンポジウムが開催される予定で、出席してきます。

水素医学に関する臨床論文の発表:こんなに進んでいる臨床試験(2016.3.10)
2007年に私たちが、水素医学に関する最初の論文を発表して8年(2015年6月現在)。わずか、8年間で人を対象とした水素の効果に関する臨床研究も英文論文が19報も発表されました。最初の論文から、わずか8年間で人を対象とした臨床研究がこのように次々発表されるのは、異例の速さです。現在、投稿中や論文作成中の論文もあり、今後次々と人に対する臨床試験が発表される予定です。
中部大学の市原教授らが現在までの臨床試験の発表論文をまとめました。参照していただければ幸甚です。二重盲検試験はDBとしています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4610055/
(1) 2型糖尿病(水素水)(人数30)DB
(2) メタボリックシンドローム(水素水)(人数20)
(3) 慢性腎不全(透析)(人数29)
(4) 炎症性またはミトコンドリア性筋症(水素水)(人数31)DB
(5) 放射線治療の副作用軽減(水素水)(人数49)
(6) 関節リウマチ(水素水)(人数20)
(7) 筋肉疲労と血液乳酸(水素水)(人数10)DB
(8) 圧力皮膚潰瘍(人数22)
(9) 間質性膀胱炎(人数30)DB
(10) 脳虚血(腹腔注射)(人数38)
(11) 紫外線による皮膚障害(水素ガス)(人数28)
(12) 脂質代謝異常(水素水)(人数20)
(13) 慢性B型肝炎(水素水)(人数60)DB
(14) パーキンソン病(水素水)(人数17)DB
(15) 関節リウマチ(関節注射)(人数24)DB
(16) 運動による筋障害(サプリメント)(人数36)
(17) 運動による乳酸血症(水素水)(人数52)DB
(18) 静脈流改善(水素水)(人数34)DB
(19) 脂質代謝異常(水素水)(人数68)DB

このように水素水の二重盲検臨床試験が大部分を示しますが、これから水素ガス吸引効果の臨床試験が発表される予定です。水素入浴に関しての人への効果は、まだ日本語論文だけです。
インターネット上では、水素水の効果については動物実験にとどまっていると誤解している人もいるようですが、実はこんなに研究が進んでいるのです。

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心停止後の脳へのダメージ 水素が抑制(2014.11.27)
水素ガスが心停止後の脳へのダメージを抑制することがNHKニュース日本経済新聞で報道されました。
慶応大学のプレスリリースもご覧ください。

水素健康医学の現状と今後:Nature Medicine論文発表から6年(2013.5.1)
水素の生体への効果について、私たちが研究を始めたのは2005年。最初の論文を世界で最も高名な学術誌のひとつであるNature Medicineに発表したのは、2007年。2007年の連休あげの5月8日ですから、ちょうど6年たったことになります。

発表論文集その間世界中で、水素の研究が進められ、現在は250報もの英文論文が発表されています。右図は、発表論文数と発表年の関係です。年々急激に増加していることがわかります。国内では40以上の研究機関が水素の研究を進めています。
動物実験をはじめとする研究で、水素の摂取方法は、水素ガスの吸引、水素水の飲用、水素点滴液の注射など様々です。当初は、水素には生体内酸化を抑える効果があると考えていましたが、それだけに留まらず、抗炎症作用、抗アレルギー作用、エネルギー代謝促進効果があることがわかってきました。遺伝子のスイッチをオンオフしたり、調節することもわかってきました。今までの研究を振り返ると驚くことの連続です。驚くことの連続ということは、未知の領域がどんどん広がっているということです。
現在の重要課題は、臨床試験です。動物で効果が認められても、人間では効果が認められないことが多いのですが、水素の場合は動物実験の結果はちゃんと人間でも検証されています。すでに10を超す論文が学術医学誌に発表されています。基礎の最初の論文が発表されて、わずか6年で臨床研究の論文が10も発表されるのは異例の速さです。現在は、大手企業も参画して、水素を薬として認可させる方向で進んでいます。水素医学の大きな目標は、水素を薬として認可していただき、保険も適用できるようにすることです。
救急時には水素ガスを吸わせる。慢性の病気には、水素水を飲む、または水素を体内で発生させるという方法がとられるでしょう。私たちは、臨床研究をサポートして、人を対象とした研究を進めています。この研究には倫理的に問題がないように進めることが大切です。
もうひとつの研究の方向性は、水素が効果を発揮するメカニズムをもっと明確にすることです。これが私たち基礎医学者の責務です。従来の薬は、特定の病気の特定の症状に効果があるというのが常識でしたが、水素が様々な病気に効果的というのは、常識を超えるものです。しかし、効果がありすぎて(?)、メカニズムの解明が間に合いません。しかし、詳細なメカニズムの解明によって、もっと安心して水素を摂取できるようになるでしょう。さらに、この研究によって、生命の緻密さ不思議さがもっと理解できるようになると期待しています。
もうひとつの方向性は、社会生活において水素をもっと身近なものにすることです。これは、産業界との協力なしではできません。企業は利潤がなくてはなりたちませんが、社会貢献というだけでなく、新しい世界を作り出すくらいの気概をもって当たってほしいと期待しています。
水素水だけでなく、水素発生新素材を利用することによって水素の利用は美容界へも浸透していくことでしょう。入浴剤だけでなく、新しい化粧品も発売されつつあるようです。これにも期待したいと思います。

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水素の測定結果は正しく解釈しないと弊害が大きくなる。(2013.5.1)
水素は肉眼で見ることはできませんし匂いもありません。そこで、正しく測定し、正しく解釈することが必要です。正しく測定しても正しく解釈しないと意味がありません。
しかし、水素関連商品については、関係者の科学的知識が十分でないために善意の方の中には、結果を正しく解釈できず、誤解される方がたくさん見受けられます。悪意の方は別として、善意の方で科学的知識が乏しいために正しい解釈ができず誤解してしまい騙される方の少なからずいらっしゃいます。これは困ったことです。一般の方は、普通マイクロリットルとか言われてもピンとこないのが普通ですから仕方ないと思いますが、当事者である方は知らないではすまされず、ある程度の理解が必要です。
第三者機関に測定を依頼するのはよいことですが、解釈をまちがっては何にもなりません。むしろ弊害が大きくなります。
旧島津総合分析試験センターに測定を依頼した結果で例をあげますと、
(1)(株)創◯的◯物◯学研究所の測定依頼に対する旧島津総合分析試験センターからの報告では28時間後にサプリメントの1グラムあたり、0.18μL水素ガスが発生すると報告していますが、この0.18μLという量では、1カプセルあたり、0.072μL。飽和水素水では、1mLあたり18μLの水素ガスを含みますから、この0.072μLは飽和水素水の1滴にも相当しません。なお、この量は私の測定結果とほぼ一致しています。どうも、測定容器内の水素ガス濃度が3 ~ 5 ppmと「お◯よ◯水素」のHPでも堂々と主張していることから飽和水素濃度1.6 ppm (= 1.6 mg/L)と比較して誤解して主張しているようにも感じられます。あるいは悪意の場合は、このような数字を使って善意の方を騙していることになります。
(2)(株)エ◯ジ◯◯イトでは、旧島津総合分析試験センターの測定結果として、サプリメント1グラムあたり17μL発生すると宣伝していますが、1カプセルでは、7μL程度。1カプセルから発生する水素量は飽和水素水に対応させると0.4 mLにしかなりません。しかし、宣伝に17μL発生すると自ら広告にも使っていることからしますと、17μLというと微量ではなく多くの水素が発生すると本人たちは誤解しているのではないかと推察いたします。あるいは悪意の場合は、このような数字を使って善意の方を騙していることになります。
(3) 水素サプリメント「◯ヴィ」の水素分子含有量として、旧島津総合分析試験センターの測定結果として、150,000 ppm(100万分の15万の体積)が検出されたとHPに載せています。全体の体積がわからないので発生水素量は計算できないのですが、前と同じ測定方法だと仮定すると体積18 mLの100万分の15万で、2.7 mLの水素ガスが発生していることになります(この計算結果には仮定が入っています)。これでも、前の測定と同じように1グラムあたりの結果だとすると、1カプセルでは飽和水素水に換算すると60 mLにしかなりません。一般に考えれば、水素水としては合格品としては微妙でしょう。
以上のような現状は、測定結果は同じでも、測定を依頼した人が報告された結果を正しく理解できず(あるいは悪意をもって正しい解釈をせず)、「0.18μL水素が発生した」「他社製品よりも100倍も多く17μLも発生した」「150,000 ppmも検出できた」などと、本来ですと「ほとんどない」「極微量」「非常に少ない」と解釈されるべきところ、水素が発生している!!と解釈しているようです。水素が発生しているかどうかではなく、どれだけ発生しているかが大切なのです。なお、この第三者機関の測定結果と私の測定結果は一致しています。
「長時間(実験では167時間以上)水素が発生し続けます。「お◯よ◯水素」の水素吸蔵サンゴカルシウムから長時間にわたり継続的に発生している水素を何故、 非科学的と断定されるのでしょうか。」などとHPに書かれていますが、長時間発生するかどうかではなく、どのくらいの量(重さでも体積でも)発生するかが問題なのです。量を考慮しない議論こそ、非科学的と言えるでしょう。
消費者の方々は、騙されないように注意しましょう。

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水素の測定法(2013.4.16)
ガスクロマトグラフィーと水素電極の違い
水素(分子状水素、または水素分子、化学式はH2)の測定法には、主に2つの方法があります。ひとつは、ガスクロマトグラフィーという方法で、水素ガスを測定します。もう一つは、水素電極という方法で、水に溶けている分子状水素(溶存水素)を測定します。
ガスクロマトグラフィーは非常に感度がよく空気中に100万分の1(気体でいう1 ppm)くらいの分子状水素があれば検出可能です。また、気体の中に不純物がはいっていても、水素ガスと不純物を分離して測定するので、不純物と区別して水素だけを測定することができます。分子状水素測定のもっとも優れた方法と言えるでしょう。
水素電極は、溶液に溶けた分子状水素(溶存水素)を測定します。ただし、水素電極は、分子状水素の他に硫化水素(H2S)なども検出してしまうので、不純物があると正確には分子状水素の量だけを測定することはできないことになります。様々なイオンがあると少しですが値が異なってきます。温度が変わると少し値がかわります。また、水溶液を撹拌している場合と静置している場合にはやや値が異なってきます。特に隔膜型ポーラログラフ電極式の場合は水溶液を撹拌し続けなくてはなりません。撹拌すると水素が抜け出てしまうので、抜け出る前の値を外挿しなくてはなりません。水素水に溶けている分子状水素を測定するには便利なよい方法なのですが、溶液で0.02 ppm程度以上の溶存水素がないと測定できません。市販されている合格品の水素水では、0.02 ppm以下ということはないので、普通の水素水の溶存分子状水素の測定には、水素電極が便利です。
つまり、ガスクロマトグラフィーの方が不純物の寄与を除くことができるし、感度の点から言っても優れています。水素水測定には、一般には水素電極で十分です。
(その他、酸化還元電位やメチレンブルーを使う方法がありますが、これは簡易型と言うべきで、別の機会に説明します。)

水素水の分子状水素をガスクロマトグラフィーで測定する。
ここで、疑問がでてくるかもしれません。ガスクロマトグラフィーは、水素ガスを測定するのだから、水素水に溶けている分子状水素は測定できないのではないかという疑問です。素直に考えれば、サプリメントから発生する分子状水素は水に溶けてしまうのですから、水素電極で測定したほうがいいと思えるかもしれません。ある程度の分子状水素がすぐに発生してくれるなら、水素電極で測ってもよいのですが、長時間かかって分子状水素が発生する場合や、発生量が極々微量の場合は水素電極では測定できません。
水溶液に溶けている極々微量の分子状水素は以下のようにして測ることが可能です。この方法は、私たちがNature Medicineの掲載した水素の最初の論文でも使った方法です。
下の図を見てください。Aは、1気圧下で500 mLの液層(水素水)と500 mLの気相(水素ガス)があった場合です。気相では、500 mLのガスがあり、水素水では飽和水素水ができて、濃度では1.6 ppm(1.6 mg/L)となります。これは、ガスに換算すると約9 mL分の水素ガスです。つまり、1気圧下では液層と気相に占められる水素ガスの量は、9:500となり、ほとんど98%は気相にくることになります。
では、下の図のBのように500 mLの飽和水素水があって、それに500 mLの空気をいれた場合はどうなるでしょう。しだいに、Cのように8.8 mL分の分子状水素は気相にくることになり、0.2mL分の水素ガスに換算される分子状水素が液体に残ります。つまり、このような気相の水素ガスをガスクロマトグラフィーで測定することによって、水素水にあったはずの分子状水素も測定できることになります。
水素水を飲んだ後の血液中の水素の量をこのようにして測ることができます。また、極々微量の分子状水素しか発生しない場合も測定可能となります。
ただし、水素濃度が高いと水素ガスを希釈して測定することになるので、希釈する際に生じる誤差がでるかもしれません。純品の水素ガスですと1万倍にも希釈して測定することになります。ちゃんと水素ガスを発生するサプリから発生する水素を測定するときは、数千倍に希釈して測定します。
水素の測定法

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私の研究成果と関係ない項目に、「プラズマ水素」も加えました。(2013.4.3)
「プラズマ水素って何ですか?」との質問をいただきました。
太陽の表面温度は、6000度Cくらいです。そこでは、私たちが生きている環境とは全く異なる現象が生じます。例えば、水素分子は、H2からH+とH-のプラスとマイナスのイオンが生じ共存します。このプラスイオンとマイナスイオンと気体が共存する状態を「プラズマ状態」といいます。この現象は、6000度Cまでにならなくても、2000度C程度でも生じるようです。しかし、このような高温の状態は私たちが生きている普通の状態とは全く異なり、水素のプラズマ状態は体温の体内や水溶液中の環境では生じ得ないのは明らかです。
そこで、このHPの表紙の注意事項に「プラズマ水素」も私の研究成果とは無関係であることを明記しました。このHPであつかう水素とその内容は、私たちが生きている普通の環境下で生じる分子状水素(または、水素分子、化学式ではH2です)のことで、科学的・医学的な検証を経た科学的な知識です。
消費者の方は、注意しましょう。

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第3回分子状水素医学シンポジウムの開催(2013.1.28)

2月9日10日の両日、第三回分子状水素医学シンポジウムが開催されます。このシンポジウムは水素医学に関する学術的な講演会です。
http://www.medi-h2.com
特別講演、基調講演、教育講演、ミニシンポジウムと一般演題17と充実した内容です。今回は事前参加登録が必要です。この会は、マイナス水素イオン、プラズマ水素、活性水素、水素吸蔵サンゴ 等とは、無関係です。

麻酔薬の副作用を水素が軽減(2013.1.28)

最近、待ち望んでいた論文が発表されました。研究内容は事前に知っていたので、心待ちにしていた発表でした。防衛医科大の麻酔科からの論文で、麻酔薬の小児に対する副作用を水素が軽減するというものです。全身麻酔ガスとして使われているセボフルランは、小児に対して副作用があり注意が喚起されていました。水素を使う事により、全身麻酔も安心して使えるようにしたいものです。
内容は、イアンターネットで日本語でも読めます。
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med/society_guidance_ane/news_pdf/s22.pdf#search=’セボフルラン+水素
論文は、
Coadministration of hydrogen gas as part of the carrier gas mixture suppresses neuronal apoptosis and subsequent behavioral deficits caused by neonatal exposure to sevoflurane in mice.
Yonamine R, Satoh Y, Kodama M, Araki Y, Kazama T.(防衛医科大学麻酔科)
Anesthesiology. 2013 Jan;118(1):105-13.

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第16回日本医療ガス学会で、水素ガスの効果について講演(2013.1.28)

第16回日本医療ガス学会(2012年11月17日:東京ステーションコンファレンス)で、「水素の臨床応用」という題目で、水素の臨床応用へのプロセスを中心に最近の進歩について、某大学の循環器内科の先生からの講演がありました。この講演は、ガスのトップメーカーの大陽日酸株式会社の共催です。医学会で、このような講演が次々行われる事で、医学会における水素医学の認知も広くなっています。

水素治療による心肺停止後の効果(2012.10.22)
慶應義塾大学の救命救急と循環器内科との共同研究成果を米国心臓病学会誌に発表しました。それを受けて、2012年10月22日に経済産業新聞に大きくとりあげられました。
救急隊が搬送した全ての心肺停止患者は、年々増加傾向で、H22年は123,060人です。心肺停止した患者には、心臓マッサージしたりAEDを使ったりしますが、蘇生した場合でも脳や心臓などに障害が出やすく、後遺症に悩む人も多いのが現状です。ラットを心臓の鼓動をとめ肺の呼吸も停止させ、心臓マッサ—ジにより鼓動を再開させ、人工呼吸器で呼吸を始めました。そのときに、水素ガスを吸わせたのです。すると、死亡率が劇的に減少し、後遺症の脳や心臓の機能低下が抑えられました。
この実験結果を見た時には、効果がありすぎて、驚きました。水素の効果を調べる実験をするといつものことですが、効果がありすぎて、驚いてしまいます。この研究成果は、今年の、日本Shock学会の学会長賞を受賞しました。
この動物実験の結果をふまえて、臨床試験をはじめる準備にはいりました。
水素の効果についての論文はすでに200報を超えていますが、この論文もインパクトがある成果でした。水素を医療に実用化するまで、がんばるつもりです。
日経産業新聞

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「水素の効果」の特許が成立しました(2012.10.9)

発明名:生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤(特許出願2007-531053)
出願人:太田成男(単独)
発明者:太田成男、大澤郁朗
出願日:平成17年8月19日(2005.8.19)
この特許が成立するのに、7年かかりました。今回は、早期審査を申請したので、これでも早く結果がでたほうです。この特許は、2005年に大学のTLO(Technology Licensing Organization[技術移転機関]の略称)から、特許出願してもらおうと申請したのですが、大学の発明委員会では「こういうものは、特許にならない。」という冷たい反応で、あえなく却下!「個人でなら、ご自由に!」との判定結果になったものです。そのため、個人名で特許出願することにしました。当時は、水素が顕著な効果を発揮すると言っても、とても信じられなかったのでしょう。7年前の「特許出願却下」という反応は、私たちの研究成果は当時の常識を覆す結果だったことを意味しています。今でこそ、水素の効果は注目されるようになりましたが、この間の苦労を物語っているエピソードです。

分子状水素医学シンポジウム(2012.2.20)

2月11日に北里大学白金キャンパスにて、第二回分子状水素医学シンポジウムが開催されました。
朝早くから夜遅くまで約150人が参加し、大盛況でした。なにより、非常にレベルの高い学術的な発表ばかりで、最新の知識をえることができました。北里大学の小林弘祐教授をはじめとする事務局の方々には大感謝です。
昨年は名古屋大学で第一回分子状水素医学シンポジウムが開催されましたが、今年度からは研究会として通年の組織とすることが決まりました。来年は、東京都健康長寿医療センターの大澤郁朗先生の主催により同時期に第3回分子状水素医学シンポジウムが開催されます。

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第二回分子状水素医学研究シンポジウム開催のお知らせ(2011.12.05)

今年は,名古屋大学で「第一回分子状水素医学研究シンポジウム」が開催されましたが、来年(2012年)は、2月11日に東京都港区の北里大学で開催されます。興味のある方は、日程を空けておいてください。詳細は、後日紹介します。

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水素医学の現状:臨床試験が進んでいます。(2011.12.05)

水素は、様々な動物の病気において、めざましい効果をあげています。すでに、世界中から英文の原著論文が130以上も発表されています。

原著論文とは解説ではなく自分自身の実験結果に基づき、新しい結果を含む論文です。
水素医学の次のステップは、水素が効果を発揮するメカニズムを解明することと、人に適用できるかどうかを調べることです。人を対象にした研究を臨床試験といいます。
すでに、最近になって、3つの臨床試験の結果が発表されています。
(1)ミトコンドリア病に対する効果
(2)脳梗塞に対する効果
(3)放射線治療の副作用に対する効果です。
大学病院で本格的に臨床試験をはじめる時には、厳しい審査を受けます。専門家以外から見ても、妥当な方法で研究を進めていることを内外に理解していただくことが必要です。とくに、患者さんに迷惑をかけてはいけないので、倫理的に問題がないかを様々な方面から検討することになります。現在、どのような方法で臨床試験を行っているかは、UMINからインターネットで公開されています。UMINはUniversity Hospital Medical Information Networkの略語です。
UMINに登録されている水素の臨床試験は3件あり、詳しい内容を誰でも見ることができます。
(1)軽度認知障害を有する者に対する高濃度水素溶解精製水のランダム化比較試験(筑波大学)
(2)脳梗塞の水素治療(防衛医科大学)
(3)急性心筋梗塞患者への経皮的冠動脈形成術施行時における水素ガス吸入の安全性と有効性の検討(慶應義塾大学)
さらに、順天堂大学ではホームページで、パーキンソン病への臨床試験について公開しています。
臨床試験の最終的な結果をえるためには長い時間がかかりますが、その結果に期待したいものです。

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水素水によるミトコンドリア病改善の論文が発表(2011.10.07)

ミトコンドリア病は一昨年に特定疾患に認定された難病です。ミトコンドリアは私たちに必要な大切な細胞小器官ですので、ミトコンドリアでエネルギーが作られなくなるといろいろな面で症状がでてきます。私は21年前にミトコンドリア病のなかのメラスという病型の原因遺伝子を決定しました。私の研究成果が朝日新聞・読売新聞などの全国紙に大きくニュースとして掲載されたのは、初めてでした。原因はわかったのですが、まだ病気は治せません。その後、なんとか少しでも改善できる治療薬が見つからないかとミトコンドリア病についての研究を続けています。このような難病の患者さんは全国で1000人くらいなので、新薬ができても利益にならないため、製薬会社では新薬の開発が難しい状況です。このような難病には大学や公的研究所の研究者が努力しなくてはならないのだと思います。
10月3日についに、水素水がミトコンドリア病の改善に効果があることを示唆する論文が、Medical Gas Research(医学ガス研究)に発表されました。名古屋大学、愛知医科大学などの共同研究です。まだまだ、不十分な面はあるのですが、水素水が病気の改善に寄与できることを示したたいへん重要な論文です。以前から、もうすぐ発表になることは知っていましたので、発表を心待ちにしていました。
少なくとも長期にわたって水素水を飲んでも副作用がないことは、明確になりました。
英文論文ですが、インターネットで読むことができます。

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最近の論文発表(2011.9.21)

一酸化窒素から発生したペルオキシナイトライトを減少させることによって間接的に遺伝子発現を変化させ、水素分子は酸化ストレスから軟骨を保護する。

Molecular hydrogen protects chondrocytes from oxidative stress and indirectly alters gene expressions through reducing peroxynitrite derived from nitric oxide

Hanaoka T, Kamimura N, Yokota T, Takai S and Ohta S:Medical Gas Research, 2011, 1:18 (4 August 2011)

Background
Molecular hydrogen (H2) functions as an extensive protector against oxidative stress, inflammation and allergic reaction in various biological models and clinical tests; however, its essential mechanisms remain unknown. H2 directly reacts with the strong reactive nitrogen species peroxynitrite (ONOO) as well as hydroxyl radicals (•OH), but not with nitric oxide radical (NO•). We hypothesized that one of the H2 functions is caused by reducing cellular ONOO, which is generated by the rapid reaction of NO• with superoxides (•O2). To verify this hypothesis, we examined whether H2 could restore cytotoxicity and transcriptional alterations induced by ONOOderived from NO• in chondrocytes.

Methods
We treated cultured chondrocytes from porcine hindlimb cartilage or from rat meniscus fibrecartilage with a donor of NO•, S-nitroso-N-acetylpenicillamine (SNAP) in the presence or absence of H2. Chondrocyte viability was determined using a LIVE/DEAD Viability/Cytotoxicity Kit. Gene expressions of the matrix proteins of cartilage and the matrix metalloproteinases were analyzed by reverse transcriptase-coupled real-time PCR method.

Results
SNAP treatment increased the levels of nitrated proteins. H2 decreased the levels of the nitrated proteins, and suppressed chondrocyte death. It is known that the matrix proteins of cartilage (including aggrecan and type II collagen) and matrix metalloproteinases (such as MMP3 and MMP13) are down- and up-regulated by ONOO, respectively. H2 restoratively increased the gene expressions of aggrecan and type II collagen in the presence of H2. Conversely, the gene expressions of MMP3 and MMP13 were restoratively down-regulated with H2. Thus, H2 acted to restore transcriptional alterations induced by ONOO.

Conclusions
These results imply that one of the functions of H2 exhibits cytoprotective effects and transcriptional alterations through reducing ONOO. Moreover, novel pharmacological strategies aimed at selective removal of ONOOmay represent a powerful method for preventive and therapeutic use of H2 for joint diseases.

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最新の論文発表(2011.8.4)

水素による放射能防御の論文が権威ある米国生理学会誌に発表されました(7月15日)。
単に効果を示しただけでなくメカニズムまで踏み込んでいます。以下に論文の要約(英文)を掲載します。

Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2011 Jul 15. [Epub ahead of print]

Hydrogen Therapy Attenuates Irradiation-induced Lung Damage by Reducing Oxidative Stress.
Terasaki Y, Ohsawa I, Terasaki M, Takahashi M, Kunugi S, Dedong K, Urushiyama H, Amenomori S, Kaneko-Togashi M, Kuwahara N, Ishikawa A, Kamimura N, Ohta S, Fukuda Y.

Abstract
Molecular hydrogen (H(2)) is an efficient antioxidant that diffuses rapidly across cell membranes, reduces reactive oxygen species (ROS) such as hydroxyl radicals and peroxynitrite, and suppresses oxidative stress-induced injury in several organs. ROS have been implicated in radiation-induced damage to lungs. Because prompt elimination of irradiation-induced ROS should protect lung tissue from damaging effects of irradiation, we investigated the possibility that H(2) could serve as a radioprotector in the lung. Cells of the human lung epithelial cell line A549 received 10 Gy irradiation with or without H(2) treatment via H(2)-rich PBS or medium. We studied the possible radioprotective effects of H(2) by analyzing ROS and cell damage. Also, C57BL/6J female mice received 15 Gy irradiation to the thorax. Treatment groups inhaled 3% H(2) gas and drank H(2)-enriched water. We evaluated acute and late irradiation lung damage after H(2) treatment. H(2) reduced the amount of irradiation-induced ROS in A549 cells, as shown by electron spin resonance and fluorescent indicator signals. H(2) also reduced cell damage, measured as levels of oxidative stress and apoptotic markers, and improved cell viability. Within 1 week after whole-thorax irradiation, immunohistochemistry and immunoblotting showed that H(2) treatment reduced oxidative stress and apoptosis, measures of acute damage, in the lungs of mice. At 5 mo after irradiation, chest computed tomography, Ashcroft scores, and type III collagen deposition demonstrated that H(2) treatment reduced lung fibrosis (late damage). This study thus demonstrated that H(2) treatment is valuable for protection against irradiation lung damage with no known toxicity.

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水素医学への発展(2011.8.4)

私たちが水素医学の論文を世界の権威であるNature Medicineに、はじめて発表してから4年がすぎました。この間に世界から100以上の論文が発表され、水素の身体への効果は揺るぎないものとなりました。しかも、当初私たちが考えていたよりも、はるかに多方面への効果が期待されるようになりました。
残念ながら、私たちの研究に便乗して実際は水素が発生しないのに発生するかのように謳っている商品も見受けられます。私たちは、キチンとした科学的研究と臨床試験によって、水素を私たちの健康・美容に役立て、病気の予防と治療に使えるように貢献します。

最近、高名な学術誌に今までの研究をまとめた英文総説を2報発表しました。

Recent Progress Toward Hydrogen Medicine: Potential of Molecular Hydrogen for Preventive and Therapeutic Applications.
Ohta S.
Curr Pharm Des. 2011 Jul 7. [Epub ahead of print]

Molecular hydrogen is a novel antioxidant to efficiently reduce oxidative stress with potential for the improvement of mitochondrial diseases.
Ohta S.
Biochim Biophys Acta. 2011 May 20. [Epub ahead of print]

米国でも水素の効果を大きく報道しています。

http://www.eurekalert.org/pubnews.php?start=100


http://www.thoracic.org/media/press-releases/conference/articles/2011/
Inhaling_Hydrogen_%20May_Help_Reduce_Lung_Damage.pdf

http://www.newswise.com/articles/inhaling-hydrogen-may-help-reduce-lung-damage-in-critically-ill-patients

http://esciencenews.com/articles/2011/05/16/
inhaling.hydrogen.may.help.reduce.lung.damage.critically.ill.patients

http://www.sciencedaily.com/releases/2011/05/110516141546.htm

http://medicalxpress.com/news/2011-05-inhaling-hydrogen-lung-critically-ill.html

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