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「データがある」のに「データがない?」:国民生活センター発表2016.12.15に関連して(その3)


 国民生活センターの発表資料では、冒頭に、国立健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性情報」に記載された「ヒトに対する有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。」を引用しています。これが、水素水にはあたかも有効性を示すデータがないかのような誤解を誘導してしまったように感じます。
 「国立健康・栄養研究所」の「ヒトに対する有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。」の記載については、わざわざ「注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。」と注意書きをしています。もちろん、「保証できないものを保証できない」と明記しているのは正直で好感がもてるし、テレビや雑誌のインタビューでは「まだ、わからないということです」と何度か明確に応えているので、これも正しい対応だと思います。
 「信頼できる十分な」となると何をもって「信頼できる」のか、何をもって「十分な」なのか、基準をはっきりさせないことには、誤解が一人歩きしてしまいます。また、「データがない」ではなく、「データが見当たらない」としているところが、興味深いところです。少なくとも、ちゃんと研究をして統計解析をして有意であるというデータを示している研究に対して「信頼できない」とか「十分でない」という場合には、公的機関であるからには、誤解がないように配慮しなくてならないと思います。
 水素水の商品としては、「病気の治療」のためではなく、一般の消費者に対してどうなのか という問題を取り上げる人がいるようです。
そこで、一般の消費者にとって、水素水の効果が「あるのか」「ないのか」を明確にするために、ここでは、健康な人に対する水素水の効果のデータを紹介します。発表論文名と発表場所は末尾に記載しました。
(1) 水素水を飲むことによってスポーツマンの運動後に乳酸の上昇が抑制され、筋肉疲労が低下していた(筑波大学のスポーツ科学の論文)。
(2) 水素入浴によって、運動後の筋肉痛が軽減した(早稲田大学のスポーツ科学の論文)
(3) 水素水を飲むことによって、脂質代謝異常の境界領域の人のコレステロールが低下した(中国の山東大学の論文)。これは動脈硬化に抑制につながることを示唆する。
(4) 水素水をボランティアが飲むことによって、血流依存性血管拡張反応が上昇した。これは動脈硬化の抑制につながることを示唆する(福岡県原土井病院のデータ)。
(5) 水素水を飲むことによって、日常的な疲労の程度が改善した(大阪市立大学と理化学研究所のデータ)。
(6) 6人の糖尿病発症前状態が改善した(統計的解析はおこなわれていない)(京都府立医科大学のデータ)
(7)(歯周病の人は健康な人に含めないかもしれませんが)、水素水を飲用することによって歯周病が改善した(岡山大学のデータ)。
 以上のデータは、脂質代謝異常や歯周病の予防効果につながる改善を示唆するものであり、兆円オーダーの医療費の削減に大いに貢献することが期待されます。
 なお、認知症発症前の軽度認知障害への水素水の飲用効果についても、論文を投稿中で、今後、次から次へと重要な論文が発表されるでしょう。
 「有効性を示すデータがある」にもかかわらず、「保証できない」と断り書きをしている「信頼できる十分な有効データが見当たらない」というだけの情報を公の機関が発信するのは、いかがなものでしょうか?マスコミを含め各方面の関係者に、冷静な判断をすることを求めたいと思います。

文献
 (1) Med Gas Res. 2012; 2: 12. Effects of drinking hydrogen-rich water on muscle fatigue caused by acute exercise in elite athletes.
 (2) Jpn J Phys Fitness Sports Med, 2016; 65(3): 297-305. Effects of hydrogen bathing on exercise-induced oxidative stress and delayed-onset muscle soreness (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/65/3/65_297/_pdf)
 (3) J Clin Endocrinol Metabol, 2015; 100: 2724-2733. Hydrogen Activates ATP-Binding Cassette Transporter A1-Dependent Efflux ex Vivo and Improves High- Density Lipoprotein Function in Patients with Hypercholesterolemia: A Double-Blinded, Randomized, and Placebo- Controlled Trial.
 (4) Vasc Health Risk Manag. 2014; 10: 591-597. Consumption of water containing over 3.5 mg of dissolved hydrogen could improve vascular endothelial function.
 (5)https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/pdfs/press_150522.pdf#search=%27大阪市立大学+水素+疲労%27 (論文投稿中)
 (6) Nutr Res. 2008; 28:137-143. Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance.
 (7) Antioxidants. 2015; 4: 513-522. Drinking Hydrogen-Rich Water Has Additive Effects on Non-Surgical Periodontal Treatment of Improving Periodontitis.


本物の水素水と水素が検出されない「水素水」:2016年12月15日の国民生活センター発表結果(その2)


 2016年12月15日に国民生活センターが記者会見し、水素水に関する調査結果を発表しました。今年になって3度目の発表ですので、水素水に関する関心の高さを物語っています。
その調査結果発表について、私からもコメントをだして欲しいとの要望があったので、何度かにわけて、私の見解を述べたいと思います(その2)。
 国民生活センターが19社の水素水製品について、水素濃度を測定しました。
この測定方法は、デンマーク製の水素電極とガスクロマトグラフィーを併用したもので、私たちが用いている方法と同じ信頼できる方法です。
 結果は、容器いりの水素水では、10社製品中商品表記と同じ水素濃度のものは、3社製品で、上位から株式会社メロディアン、株式会社KIYORAきくち、株式会社伊藤園でした。 
 なお、今回測定された商品会社のなかで、私が理事長を務める日本分子状水素医学生物学会の賛助会員は、この3社だけでした。

 奥長良川名水株式会社と株式会社日田天領水 のペットボトル入りの自称「水素水」は、水素が全く検出されなかった結果でした。これは以前から私のブログの表紙に注意を促しているものです。
つまり、ちゃんとした高濃度の水素水もあれば、水素の検出されない自称「水素水」もあるということです。

ちなみに、週刊文春が12社の容器入り水素水、10社の水素水生成商品の製品の水素濃度を調べて報道しています(2016年8月3日号)。民間の1週刊誌が調べたよりも国民生活センターの調査数が少ないのですから、公の機関としてもっと多くの商品を調べて欲しいものです。国民の要望は、水素水関連商品の中で、どの商品にはちゃんと水素が含まれているのかを明確にして欲しいということだと思います。

注:国民生活センターの発表では、水素水の定義はないと書かれており、水素濃度が適切であるかどうかの判断はされていません。したがって、水素濃度に関するコメントは別の基準によるものですので、関係部分は削除しました。


日本テレビの朝番組「スッキリ」のコメントについて


 2016年12月20日に水素水関連についての取材があり、21日の朝に放映されました。テレビでは、取材コメント全てが放映されるわけではないことは承知して取材をうけています。全体としては、よい番組だっだと思っていますが、以下の2点について、削除された私のコメントについて感想を述べます。
(1)水素医学関連論文の英文論文が600報発表されていることのコメントと同時に、人を対象とする研究論文が25報発表されていることを話しました。しかし、人を対象とした研究論文があるというコメントが削除され、あたかも、水素水については動物実験しかないように誤認される内容となってしまいました。このコメントの削除は、「人に対しての効果はわからない」という結論に意図的に誘導するものと感じられました。
(2)水素が体内で効果を発揮するメカニズムについては、水素が活性酸素を除去するだけではないとの話をしましたが、ここも削除されました。この点は、むずかしい話なので、削除されるのはしかたがないとは思いますが、私があまりに単純に考えているわけではないことを表明しておきます。

 その他の番組内のコメントについて、
(1)心肺停止後の水素ガス吸入効果に対して、「動物実験では」と限定してコメンテイターがコメントしていましたが、人を対象とした論文もすでに発表されている事をお知らせします。
(2)コメンテイターが、プラセボ効果の可能性について言及していましたが、動物実験ではプラセボ効果はありません。この分野では動物実験の基礎研究がしっかりおこなわれているので、動物でみられた効果が人でも再現された場合は、プラセボ効果と考えない方がよいと思っています。根拠なくプラセボ効果というのは、個人的には基礎研究をないがしろにするものだと感じました。
(3)人の健康効果について確定するには10-30年の研究が必要だという話は、よかったと思います。


水素水の効果は「水」ではなく「水素」:国民生活センター調査における、あきれた事業者の回答について


 2016年12月15日に国民生活センターが記者会見し、水素水に関する調査結果を発表しました。今年になって3度目の発表ですので、水素水に関する関心の高さを物語っています。
 その調査結果発表について、私からもコメントをだして欲しいとの要望があったので、何度かにわけて、私の見解を述べたいと思います。

(その1)
 まず、一番、驚いたというか、あきれたというのは、事業者へのアンケート調査結果です。飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)中、11社が「水分補給」と回答したということでした。この「水分補給」と本当に回答したのか、誘導尋問にひっかかったのか、詳細と真偽は わかりかねますが、もし本当だとすれば、あきれた話です(国民生活センターが作為したとは思ってはいませんが、あまりにあきれた話なので・・・)。
 水素水は、水素を溶かした水です。砂糖を溶かした水は砂糖水、砂糖水が甘いのは水が甘くなったからではなく、溶けた砂糖が甘いのです。水素水は、水素を溶かした水のはずであって、「ただの水」ではないはずです(もちろん、水素がはいっていない「自称水素水」はただの水です)。もしも、水分補給目的というなら、普通の水を飲めばいいだけですから、事業者がそう回答したとすれば馬鹿にした話です。
 おそらく、法律的な問題から「水素水の効果効能は現在標榜できない」ので、水分補給と回答したのだとは思います。しかし、水分補給などと馬鹿げた話をするのではなく、ちゃんと「水素水は分子状水素が入った水です。分子状水素の摂取を目的としています。分子状水素の効果効能は標榜できないため、『期待できる効果』については現段階では回答できません」と回答すればいいのに、というのが、私の意見です。
 自社製品の宣伝に法律上の規制から効果効能を標榜してはならないのは、理解できます。しかし、このような公のアンケートに答える場合には、効果効能を標榜することにはならないのではないかと私は思います。法律的・行政的な問題については、私は専門外ですので、専門家の見解を教えていただけると幸甚です。
 事業者が、「水素水は水分補給目的」とか「ただの水」ということが、水素水の混乱をひきおこしている原因のひとつだと私は思っています。


水素医療、大きく一歩前進:パーキンソン病患者への水素水の投与


 心肺停止や脳梗塞などの急性の病気には、水素ガスの吸入が有効であるとする研究が進められて、厚生労働省の先進医療Bにも承認されました(参照)。
慢性の病気には、安全で安価で日常的に摂取する事が可能な水素水の飲用が適していると、考えています。
 すでに、パーキンソン病の水素水の飲用治療のパイロット研究結果は、有効性ありと2013年に報告されました。
もっとも信頼できる医療研究としては、研究方法など、すべてを詳細に事前に発表する事が求められています。途中や事後にごまかす事ができないようにするためです。
パーキンソン病の水素治療法は事前に、BioMed Center Neurology (BMC Neurol.) 2016;16:66. に報告されています。
14病院178人のパーキンソン病患者を対象に二重盲検試験で、72週間水素水1リットル(対象は水素を含まない水1リットル)を飲ませた効果を検討しようとする研究方法の詳細が論文として公表されています。この論文は、誰でも無料で読む事ができます。
https://bmcneurol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12883-016-0589-0
 すでに、水素水を飲ませてから80週間を終了しており、現在解析中です。
 水素医学は、一歩一歩着実に前進しています。関係者の御努力に最大限の敬意を表したいと思います。結果が楽しみです。


水素医療、大きく一歩前進:心停止後の水素吸入療法が厚生労働省の先進医療Bとして承認


 水素吸入治療法が厚生労働省の先進医療Bとして、2016年11月30日に承認されました。心肺停止後の蘇生後に患者に水素ガスを吸入させ、生命を護り、さらに脳機能を護ることで、社会復帰をめざす革新的な治療法です。
 先進医療とは、先進医療技術審査部会によって、有効性・安全性・必要性などが厳しく審査され承認されるものです。特に、先進医療Bは、先進医療Aよりも厳しく審査され、「医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」です。 先進医療は、将来的に健康保険適用の医薬品として承認されることを前提として開発段階の治療が行われるもので、水素が医薬品として認可され、実際の医療に使われる道が大きく広げられました。また、先進医療の段階でも、水素吸入以外は健康保険を使う事が可能になります。
 水素ガス濃度は、安全な2%を使用し、20医療施設、360人の患者を対象とする予定で、本格的な医療研究となります。
 水素医学は、一歩一歩着実に前進しています。関係者の御努力に最大限の敬意を表したいと思います。