水素が体内に取り込まれる「拡散」について

投稿者: | 2022年10月4日

 水素の拡散(diffusion)について、考えてみたいと思います。学術用語の拡散(diffusion)と一般的に使われる「拡散」とは少しニュアンスが違うかもしれないので、少々長くなるかもしれませんが、お付き合い願えるとうれしいです。

1. 分子状水素は自然界の一員であり、自然法則にしたがった挙動をする。
 拡散(かくさん、英: diffusion)とは、粒子、熱、運動量、等が、散らばり、広がる、物理的な現象であり、自然法則です。物質は、この自然法則である拡散によって、高濃度側から低濃度側へ移動します。また、溶媒が移動するときは、それに伴って溶質も移動します。
 この二つの自然界の法則、すなわち拡散と流束にしたがって、水素は移動します。異なる状況下では、相対的に拡散の要因が強かったり、流束の要因が強かったりしますが、まず、自然の法則として理解することが、水素の挙動を理解する上での基礎となります。
 つまり、水素は高濃度側から低濃度側へ移動し、血液に溶けたときは血液と一緒に流れるということです。

2. 生命の特質
 ところが、生物界では、一見、自然の法則に反するような挙動がよく見られます。生体内では、特定の分子のみが輸送されたり、低濃度側から高濃度側へ移動することがあります。
 受動輸送(単輸送)では、物質の高濃度側から、低濃度濃側に輸送される自然法則に従います。
 共役輸送には、二つの物質が共役して輸送される場合で、共輸送と対抗輸送があります。ひとつの分子は、高濃度側から低濃度側へ移動しますが、他方の分子は、低濃度側から高濃度側へ移動することが可能になります。
 さらに、能動輸送では、ATPのエネルギーを供給して、低濃度側から、高濃度側へ分子を移動させることができます。
 これらの現象は、特異的なタンパク質でできている輸送体の働きがあってはじめて、これらのことが可能になるのです。自然法則に反しているわけではありません。

3. 水素水を飲んだときは?
 しかし、ともすれば、生体内では、輸送体による物質の移動があたりまえになっているので、水素の挙動は例外的なものと奇異に感じられる人がいるかもしれません。慣れてしまうと、生体では、本来あたりまえの自然法則の方が奇異に感じる人のほうが、ひょっとしたら、多いかもしれません。
 私たちは、食事から多くの必要な物質を体内に摂取しています。小さな分子のブドウ糖(グルコース)やアミノ酸にまで消化されて、小腸から吸収されます。この場合、各々の分子(あるいはグループ)に対する取り込みをする輸送体があって、血液にとりこまれます。ときには、腸の中の濃度が血液中の濃度よりも低くなっても血液にはいっていけるのです。
 しかし、水素を輸送するための輸送体は存在しない(これからも発見されないと思う)ので、単純に拡散で、胃や腸と血管を拡散して、血液に溶け込むことになります。
  水素は、宇宙で最も小さく、電子の偏りがなく(non-polar)、イオン化せず(non-ionic)、磁気を帯びない(non-magnetic)分子です。拡散の速度は小さいほど速いので、水素は速く拡散しますし、電気的作用も、磁気的作用も、水素には作用しません。
 従来当たり前と慣れ親しんでいるメカニズムとは違うのかもしれませんが、自然の法則に従った拡散によって、水素は吸収されるのです。