水素の標的の発見でわかった画期的な役割

投稿者: | 2022年10月4日

 先日、水素(H2)の標的の発見について画期的な成果だと、このブログに掲載しました。ここで、画期的と思われる点を説明したいと思います。これから、一段と研究がすすむと思われますが、現段階では私の推測になります。
 水素の効果のメカニズムについては、まだまだ分からない点があります。特に、水素水を飲んだときの効果については、未知の点があるので、疑問に感じる方がいるのはやむを得ないのです。
 水素水を飲んだときには、水素は胃や腸で拡散(拡散については、次のブログで説明します)によって、血液に取り込まれ、肝臓をへて、静脈を通って、心臓にもどり、肺から放出されます。すると、肺から放出されてしまうので、水素は体内に長く留まることができないことになります。また、動脈、脳や筋肉には、水素は到達できないことになります。しかし、研究結果では、動脈、脳、骨格筋にも水素の効果があることが確かめられています。水素がないのに、水素の効果がでてくるのは、どうしてなのか?と、当初、不思議に思いました。
 次にわかってきたのは、水素は、脳を護るホルモン(グレリン)が胃から分泌されるのを促進すること、エネルギー代謝を活発にするホルモン(FGF21)を肝臓から分泌すること、血液に存在する免疫細胞から放出される炎症性サイトカインの放出を抑制することなどです。このように、考えれば、水素の働きで、いったん種々のホルモンの分泌を促進したり、抑制したりすることで、水素自身は、長期に全身に行き渡らなくても、水素は1日くらいの効果を発揮し続けられはずだと考えられたのです。
 しかし、これだけで、全てが解決できる訳ではないことも分かってきて、しっくりとしない状態が続いていました。
 前のブログ(2022年9月17日)で紹介したように、ヘマチンが、水素を受け取って、水素の効果を発揮することがわかったわけですが、H2が、ヘマチンに水素を受け渡して、(ここではFe-H-PPと呼ぶことにします)、Fe-H-PPが全身に行きわたると考えれば、水素の効果が長期間(たぶん1日くらい)全身にわたることが説明できます。水素は、呼気として肺から排出されてしまうけれど、その効果をバトンタッチされたFe-H-PPが水素の効果を全身に伝えると説明できます。
 なお、拙著「続水素水とサビない身体:ここまでわかった水素水(小学館2017年3月6日初版)の41頁には、「Q水素水を飲むと、水素水は体内に吸収されるのでしょうか?にたいし、Aで、体内に入り込んだ水素は、血液に溶け込みますので、水素は血流にのって全身を循環し、各臓器に届きます。」を「体内に入り込んだ水素は、血液に溶け込みますので、水素は血流にのって肝臓と、おそらく拡散によって近くの臓器に届きます。」と訂正してください。