生体内での水素の効果は「説明できない」という人へ

By | 2016年4月30日

 水素(H2)が人の細胞内で様々な効果を発揮することは、私にとっても「too good!」で良すぎるがための長年の悩みの種でした。水素が酸化力の強いフリーラジカルを除去するだけでは、説明が出来ないことがたくさんあることがわかってきたからです。実は、水素は遺伝子発現を調節することもやってくれるのです。この遺伝子の調節は、電灯でしたら、スイッチをON/OFFするだけでなく、光の明るさも調節できるとの同じです。そのため、水素の効果は長い時間持続し、微妙な作用を発揮しながら多様な働きをしてくれるのです。ON/OFFのような極端な作用では副作用が生じてしまいます。
 しかし、水素自身は、遺伝子発現調節機構を変化させることはできないので、水素が遺伝子発現を調節場合には、間接的な作用になるはずです。では、水素が直接作用する場所はどこか?このメカニズムのアイデアを発想するまでに、5年、実際に証明して発表するまでに3年半かかりました。メカニズムを思いついたのが、2012年の年末でした。
 ウィキペディア英語版の「水素分子は標準的な状況では非常に活性があるというわけではない」、日本語版でも「しかし何かしらの外部要因があればその限りではなく、・・・・」のですから、標準的な状況ではないところに作用すると考えればよいわけです。標準的な状況とは人体では健康な状態と考えれば、何か悪いとことがある状態で何らかの作用を発揮すると考えればよいのです。実際の論文は専門的なので、「悪いところ=活性酸素が発生しているところ」と単純に考えることにします。結論では、生体内でヒドロキシルラジカルなどによって発生したフリーラジカル連鎖反応に水素が介入して変化を生じさせる。その変化によって生じた物質が遺伝子発現調節をするというものです。
 水素は不活性ガスで酸素が共存しても(触媒がないと)反応しませんが、585度C以上では燃焼や爆発します。水素は普通の状態では、おとなしいけれど、高温では激しく反応する。生体内でも、健康な場所では何もしないけれど、「悪いところ=活性酸素の害が生じたところ」では、水素は様々な反応に介入すると考えればいいと思います。私が発表したメカニズムの関する論文を今年になって2報発表しましたが、共通のメカニズムは、「水素は悪いところ(=フリーラジカル連鎖反応が生じたところ)に作用する」です。
http://www.nature.com/articles/srep18971

http://www.nature.com/articles/npjamd20168