水素健康医学の現状と今後:Nature Medicine論文発表から6年

By | 2013年5月1日

topics70 (2013.5.1)

水素の生体への効果について、私たちが研究を始めたのは2005年。最初の論文を世界で最も高名な学術誌のひとつであるNature Medicineに発表したのは、2007年。2007年の連休あげの5月8日ですから、ちょうど6年たったことになります。

発表論文集
その間世界中で、水素の研究が進められ、現在は250報もの英文論文が発表されています。右図は、発表論文数と発表年の関係です。年々急激に増加していることがわかります。国内では40以上の研究機関が水素の研究を進めています。
動物実験をはじめとする研究で、水素の摂取方法は、水素ガスの吸引、水素水の飲用、水素点滴液の注射など様々です。当初は、水素には生体内酸化を抑える効果があると考えていましたが、それだけに留まらず、抗炎症作用、抗アレルギー作用、エネルギー代謝促進効果があることがわかってきました。遺伝子のスイッチをオンオフしたり、調節することもわかってきました。今までの研究を振り返ると驚くことの連続です。驚くことの連続ということは、未知の領域がどんどん広がっているということです。
現在の重要課題は、臨床試験です。動物で効果が認められても、人間では効果が認められないことが多いのですが、水素の場合は動物実験の結果はちゃんと人間でも検証されています。すでに10を超す論文が学術医学誌に発表されています。基礎の最初の論文が発表されて、わずか6年で臨床研究の論文が10も発表されるのは異例の速さです。現在は、大手企業も参画して、水素を薬として認可させる方向で進んでいます。水素医学の大きな目標は、水素を薬として認可していただき、保険も適用できるようにすることです。
救急時には水素ガスを吸わせる。慢性の病気には、水素水を飲む、または水素を体内で発生させるという方法がとられるでしょう。私たちは、臨床研究をサポートして、人を対象とした研究を進めています。この研究には倫理的に問題がないように進めることが大切です。
もうひとつの研究の方向性は、水素が効果を発揮するメカニズムをもっと明確にすることです。これが私たち基礎医学者の責務です。従来の薬は、特定の病気の特定の症状に効果があるというのが常識でしたが、水素が様々な病気に効果的というのは、常識を超えるものです。しかし、効果がありすぎて(?)、メカニズムの解明が間に合いません。しかし、詳細なメカニズムの解明によって、もっと安心して水素を摂取できるようになるでしょう。さらに、この研究によって、生命の緻密さ不思議さがもっと理解できるようになると期待しています。
もうひとつの方向性は、社会生活において水素をもっと身近なものにすることです。これは、産業界との協力なしではできません。企業は利潤がなくてはなりたちませんが、社会貢献というだけでなく、新しい世界を作り出すくらいの気概をもって当たってほしいと期待しています。
水素水だけでなく、水素発生新素材を利用することによって水素の利用は美容界へも浸透していくことでしょう。入浴剤だけでなく、新しい化粧品も発売されつつあるようです。これにも期待したいと思います。