水素水の効果は「水」ではなく「水素」:国民生活センター調査における、あきれた事業者の回答について

投稿者: | 2016年12月20日

 2016年12月15日に国民生活センターが記者会見し、水素水に関する調査結果を発表しました。今年になって3度目の発表ですので、水素水に関する関心の高さを物語っています。
 その調査結果発表について、私からもコメントをだして欲しいとの要望があったので、何度かにわけて、私の見解を述べたいと思います。

(その1)
 まず、一番、驚いたというか、あきれたというのは、事業者へのアンケート調査結果です。飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)中、11社が「水分補給」と回答したということでした。この「水分補給」と本当に回答したのか、誘導尋問にひっかかったのか、詳細と真偽は わかりかねますが、もし本当だとすれば、あきれた話です(国民生活センターが作為したとは思ってはいませんが、あまりにあきれた話なので・・・)。
 水素水は、水素を溶かした水です。砂糖を溶かした水は砂糖水、砂糖水が甘いのは水が甘くなったからではなく、溶けた砂糖が甘いのです。水素水は、水素を溶かした水のはずであって、「ただの水」ではないはずです(もちろん、水素がはいっていない「自称水素水」はただの水です)。もしも、水分補給目的というなら、普通の水を飲めばいいだけですから、事業者がそう回答したとすれば馬鹿にした話です。
 おそらく、法律的な問題から「水素水の効果効能は現在標榜できない」ので、水分補給と回答したのだとは思います。しかし、水分補給などと馬鹿げた話をするのではなく、ちゃんと「水素水は分子状水素が入った水です。分子状水素の摂取を目的としています。分子状水素の効果効能は標榜できないため、『期待できる効果』については現段階では回答できません」と回答すればいいのに、というのが、私の意見です。
 自社製品の宣伝に法律上の規制から効果効能を標榜してはならないのは、理解できます。しかし、このような公のアンケートに答える場合には、効果効能を標榜することにはならないのではないかと私は思います。法律的・行政的な問題については、私は専門外ですので、専門家の見解を教えていただけると幸甚です。
 事業者が、「水素水は水分補給目的」とか「ただの水」ということが、水素水の混乱をひきおこしている原因のひとつだと私は思っています。