水素医学発展の発端となるNature Medicine(2007年)の論文は、2019年2月20日現在で、Google Schalarによると引用数は1,394となっています。最近は、10年以上も前の原著論文を引用せずに、最近の総説を引用することが多くなっているので、水素医学全体の論文数は、これ以上になると推定されます。2018年の引用数は、164件でしたので、依然として水素医学の発展がみとめられます。 (https://scholar.google.co.jp/scholar?cites=8017042020450919109&as_sdt=2005&sciodt=0,5&hl=ja)。
2017年9月には、Nature Medicine出版10周年記念国際会議 (The Molecular Hydrogen 10th Year Anniversary Conference, Guangzhou)が、中国の広州(Guangzhou)で開催されました。講演者の参加国は、日本、中国(台湾)、韓国、米国、独国、ハンガリー、スロバキアの7カ国(+1地域=台湾)で、参加者は約250名でした。
その後、12月には広東州の仏山市(Foshan)で、水素燃料エネルギーと水素医学の国際会議が同じ会場で同時に開催されました。
2018年5月には大連(Dalian)で、ノーベル賞受賞者の3名を招いて、BIT’s 9th Anniverary World DNA Day-2018が開催され、そのサテライトシンポジウムとして、水素医学シンポジウムが開かれました。2014年のノーベル賞受賞者Edvard I Moser教授は、基調講演で将来の期待される分野として、水素医学を挙げられました。
2018年5月にはスロバキアのSmolenice Castleで開催された5th European Section meeting of the International Academy of Cardiovascular Sciences は、17カ国からの参加者で、その中のセクションとして水素医学が設けられました。この学会報告をCanadian Journal of Physiology & Pharmacologyの特別号として発刊される予定です。
7月には韓国のSeoulで、韓国水素水標準化委員会(Korean Association of Hydrogen Water Standardization)国際会議が開催されました。
これらの国際会議で海外から発表された結果として、注目すべきは、中国における水素農業の推進(Wenbiao Shen)、糖尿病への水素水の効果(Shucun Qin)、水素水による認知症の改善効果(Kyu Jae Lee)、水素の直接作用としての某酵素の活性化 (Xue-mei Ma)、酸化還元電位と水素電極の測定結果の違い(Gae Ho Lee)などが挙げられます。
そのほか、中国の広東州の浮雲市(Yunfu)では、Foshan市と共同で、水素産業をすすめており、水素エネルギーと水素医学、水素農業を市の方策として進めるための、水素研究所と宿泊施設を建設しています。Yunfu市では、水素燃料バスが市内を運行しています。私も水素燃料エネルギーバスに乗車してきました。
韓国では、水素ヒーリングスパ(光陽市Gwangyang)や水素カフェ(天安市Cheonan)をつくり、リゾート施設として利用するだけでなく、認知症やアトピーの治療に用いていています。
2017年9月には、5回目の国際水素標準化委員会(IHSA:International Hydrogen Standards Association)会議が開かれ、水素水および関連商品の国際基準が定められ公表されました。詳細はHPをご覧下さい(http://www.intlhsa.org)(https://jhypa.org/水素の測定に関する定義と標準、および認証/)。
内容の要約は以下のようです。
「消費者が実際に分子状水素を摂取するのは、商品となります。消費者が手に取る商品に水素が適量含まれていなければ、分子状水素の効果は期待できません。関連商品の信用を担保することが、分子状水素普及の第一歩となります。認証マークの有無によって、消費者は、分子状水素が適切な量を含んでいることがわかり、安心して摂取することができるようになります。
基準とするのは、国際水素標準化委員会IHSA(International Hydrogen Standards Association)の推奨です。
IHSAは、分子状水素医学の国際的権威者5名が中心メンバーとなり、現在までの医学研究を基に、最低限の基準を分子状水素関連商品として推奨する基準を決定しました。
IHSA推奨の要約は以下のようです。
(1)分子状水素含量と濃度をそれぞれmgとmg/Lと記載すること、
(2)1日の最低摂取量として、0.5mgとし、必要容量も商品に記載すること(例えば、0.5mg/Lの分子状水素水なら1リットルの摂取を推奨と記載する)、
(3)1日の摂取量としては、1リットルを超えない量を基本とすること、
(4)分子状水素測定は、ガスクロマトグラフィーを第一義とし、溶存水素電極を用いることとし、酸化還元電位(ORP)は採用しないこと、
(5)pHは、ほぼ中性(pH=6.0−9.5)とすること、
(6)不純物は水質基準に準じて、それ以下とすること、
(7)酸性またはアルカリ性の溶液の場合は、摂取量として500mLを超えないこととする(結果的に濃度としては、1mg/L以上とする)、
(8)分子状水素水以外の製品は、以上の基準に準ずることとする。」
また、2017年12月には、国際水素医学生物学会(International society for hydrogen biomedicine)が設立された。会長は、Shucun Qin教授(Qilu Medical University of Shandong China)、第一回の年会は、中国の北京で開催され、第二回は2019年5月24日25日韓国のソウル、2020年5月16日17日には第三回の年会を日本の横浜みなとみらいで開催の予定です。