2011年9月18日(日曜日)のNHKスペシャルはすばらしい番組でした。地球と宇宙の境界を「宇宙の渚」と名付け、そこで何がおきているのかを映像化したものでした。渚は海と陸の境界ですから、「宇宙の渚」はすばらしいネーミングです。
オーロラ:宇宙からやってくる電子と酸素のせめぎ合いです。
流星:宇宙からやってくる地球へのプレゼントです。
雷:宇宙ステーションから見る雲での放電は感動です。
私は、「ミトコンドリアの渚」を思い浮かべながらテレビを見ていました。細胞の中のミトコンドリアとサイトゾル(ミトコンドリア以外の細胞質部分)の境界でおきていることです。ミトコンドリア上では、体に必要なエネルギーの素を作っています。そのとき、ミトコンドリア上には大量の電子が流れ、放電した電子は酸素と衝突しながら活性酸素をつくりだしています。オーロラは宇宙からきた電子と地球の酸素がぶつかって生じているので、全く同じことが私たちの体の内でも起きているのです。
また、私たちはミトコンドリアで生じる活性酸素を動画にとっています。2009年のサイエンスゼロではその動画を紹介しました。宇宙からみた雷とそっくりです。あちこちで、電子が雲の中に局所的にたまると放電をおこし、雷となるのです。ミトコンドリアでも局所的に電子がたまると放電(電子の放出)がおき、活性酸素となるのです。ほんとうにソックリです。
宇宙の渚でおきていることと、細胞の中のミトコンドリアの渚でおきていることが同じと感じられる私は、幸せだと思いました。
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