このブログのその1では、新型コロナウイルスの怖さの理由として、急激な悪化とその原因について、次のように述べました。
(1)免疫の暴走(サイトカインストーム)
(2)肺の水浸し状態
(3)血栓の出現
水素は、この3症状を改善することが動物実験であきらかにされています。
水素によるサイトカインストームの抑制については、すでに、25以上の論文が発表されています。例えば、動物実験で、サイトカインストームを引きおこし、死に至らせる敗血症Sepsis(多臓器不全)についての研究結果を示します。水素ガスを吸入させないと100%死亡するのに対し、水素ガスを吸入させると半数が生存できます。
論文は、Xie K, Yu Y, Pei Y, Hou L, Chen S, Xiong L, et al. Protective effects of hydrogen gas on murine polymicrobial sepsis via reducing oxidative stress and HMGB1 release. Shock. 2010;34: 90-7.
さらに、酸素濃度を高めると、その効果は高められます。
Xie K, Fu W, Xing W, Li A, Chen H, Han H, et al. Combination therapy with molecular hydrogen and hyperoxia in a murine model of polymicrobial sepsis. Shock. 2012;38: 656-63.
臨床試験の結果もあります。
論文題名:水素ガス吸入は心停止後症候群患者の酸化ストレスを緩和する。
学術誌:Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
Tamura, T.他
要約の一部:心肺停止後蘇生の患者は、目標温度管理で治療されました。 水素ガスの吸入(酸素を含む2%水素)は、入院時に18時間なされました。敗血症患者では、酸化ストレスは変化しませんでしたが、サイトカインレベルは減少しました。
その他、水素をあらかじめ投与しておくと、サイトカインストームが抑制できるという報告もあり、この場合は、事前に水素ガスを吸入しておくとサイトカインストームの予防につながる可能性があります。
Iketani M, Ohshiro J, Urushibara T, Takahashi M, Arai T, Kawaguchi H, et al. Preadministration of Hydrogen-Rich Water Protects Against Lipopolysaccharide-Induced Sepsis and Attenuates Liver Injury. Shock. 2017;48:85-93.
(注:水素ガス発生装置はすでに数社から販売されていますが、ほとんど水素が発生しない装置や発生水素量が少ないものがありますので、水素ガス発生装置という名前だけで飛びつかないようにお願いします。推奨される商品を知りたい方は、このブログの「問い合わせ」から個人的にお問い合わせください。)