慶應義塾大学の救命救急と循環器内科との共同研究成果を米国心臓病学会誌に発表しました。それを受けて、2012年10月22日に経済産業新聞に大きくとりあげられました。
救急隊が搬送した全ての心肺停止患者は、年々増加傾向で、H22年は123,060人です。心肺停止した患者には、心臓マッサージしたりAEDを使ったりしますが、蘇生した場合でも脳や心臓などに障害が出やすく、後遺症に悩む人も多いのが現状です。ラットを心臓の鼓動をとめ肺の呼吸も停止させ、心臓マッサ—ジにより鼓動を再開させ、人工呼吸器で呼吸を始めました。そのときに、水素ガスを吸わせたのです。すると、死亡率が劇的に減少し、後遺症の脳や心臓の機能低下が抑えられました。
この実験結果を見た時には、効果がありすぎて、驚きました。水素の効果を調べる実験をするといつものことですが、効果がありすぎて、驚いてしまいます。この研究成果は、今年の、日本Shock学会の学会長賞を受賞しました。
この動物実験の結果をふまえて、臨床試験をはじめる準備にはいりました。
水素の効果についての論文はすでに200報を超えていますが、この論文もインパクトがある成果でした。水素を医療に実用化するまで、がんばるつもりです。