Monthly Archives: 11月 2011

宇宙の渚とミトコンドリアの渚


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2011年9月18日(日曜日)のNHKスペシャルはすばらしい番組でした。地球と宇宙の境界を「宇宙の渚」と名付け、そこで何がおきているのかを映像化したものでした。渚は海と陸の境界ですから、「宇宙の渚」はすばらしいネーミングです。
オーロラ:宇宙からやってくる電子と酸素のせめぎ合いです。
流星:宇宙からやってくる地球へのプレゼントです。
雷:宇宙ステーションから見る雲での放電は感動です。
私は、「ミトコンドリアの渚」を思い浮かべながらテレビを見ていました。細胞の中のミトコンドリアとサイトゾル(ミトコンドリア以外の細胞質部分)の境界でおきていることです。ミトコンドリア上では、体に必要なエネルギーの素を作っています。そのとき、ミトコンドリア上には大量の電子が流れ、放電した電子は酸素と衝突しながら活性酸素をつくりだしています。オーロラは宇宙からきた電子と地球の酸素がぶつかって生じているので、全く同じことが私たちの体の内でも起きているのです。
また、私たちはミトコンドリアで生じる活性酸素を動画にとっています。2009年のサイエンスゼロではその動画を紹介しました。宇宙からみた雷とそっくりです。あちこちで、電子が雲の中に局所的にたまると放電をおこし、雷となるのです。ミトコンドリアでも局所的に電子がたまると放電(電子の放出)がおき、活性酸素となるのです。ほんとうにソックリです。
宇宙の渚でおきていることと、細胞の中のミトコンドリアの渚でおきていることが同じと感じられる私は、幸せだと思いました。


二日酔いには水素が一番


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先週は1週間、鹿児島の国際学会に出席してきました。朝8時半から夕方7時までびっしりと研究報告会で、その後はノミニケーションです。鹿児島の料理と焼酎はおいしいので、つい飲み過ぎになりがちです。しかし、私は主催者側ですから、二日酔いで遅刻というわけにはいきません。
そこで、水素です。水素が二日酔い予防に効果的なのは多くの人が経験していることです。ただし、水素水を一週間分運ぶのはたいへんですので、持参した水素発生新素材を、焼酎に1滴たらしてぐいぐい飲んだところ、全く二日酔いにならずに、朝にはすっきりして研究報告会に参加でき、活発な議論ができました。また、ワインにも1滴たらすと、スパークリングワインとなり、おいしくなり、楽しむことができました。
(商品についてお知りになりたい方は個人的に問い合わせのページよりお問い合わせ下さい)


ミトコンドリアが老化を決めている


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活性酸素が老化を進める張本人であることがわかってきました。老化の原因である活性酸素の90%はミトコンドリアで作られます。また、ミトコンドリアは生体で必要なエネルギーの源をつくっています。このエネルギー源は、体の中で毎日毎日壊されている部分の修復にもあてられます。私たちの日常生活で、修理するにはお金がかかるのと同じです。でも、活性酸素やエネルギーだけで老化を説明できるわけではありません。多くの原因がからみあって老化が進むのです。ところが、最近の研究、しかもここ2〜3年の研究によって、種々の原因はミトコンドリアに働きかけていることがわかってきたのです。しかも、下記に示す引用文献をみると分かるように、去年と今年発表された論文が多いのです。ミトコンドリアが老化を決めていると言える時代になりました。

テロメアとミトコンドリア
2009年には、老化の原因の解明に貢献があったとして、「テロメア」の研究にノーベル賞が与えられました。テロメアは、細胞が分裂するごとに短くなるのですが、完全になくなる前に老化が進むので、老化とテロメアの短縮の間には、未解明の謎があったのです。今年になって、すばらしい研究論文が発表されました。テロメアが短くなると、ミトコンドリアが減少し、活性酸素が増え、老化が進むことを解明した研究です。有名なNatureに論文が掲載され、そこでは、Ageing theories unified (老化説がひとつになった)と賞賛されています。

学術雑誌:Nature. 2011 Feb 17;470(7334):359-65.
論文名:Telomere dysfunction induces metabolic and mitochondrial compromise.
著者:Sahin E, Colla S, Liesa M, Moslehi J, Müller FL, Guo M, Cooper M, Kotton D, Fabian AJ, Walkey C, Maser RS, Tonon G, Foerster F, Xiong R, Wang YA, Shukla SA, Jaskelioff M, Martin ES, Heffernan TP, Protopopov A, Ivanova E, Mahoney JE, Kost-Alimova M, Perry SR, Bronson R, Liao R, Mulligan R, Shirihai OS, Chin L, DePinho RA.

炎症とミトコンドリア
私たちには自分自身を攻撃せずに、異物を攻撃して排除する機構があります。それが免疫です。ところが、私たちの体は長い間に少しずつ変化していきます。少しずつ変化していくと自分自身なのにその違いを外敵と勘違いして攻撃するようになります。これが、慢性的な炎症です。炎症が老化の本質だという意見があります。
最近になって、炎症にもミトコンドリアが重要な役割を果たしていることがわかってきました。これも今年になって明らかになったことです。

学術雑誌:Nature. 2011 Jan 13;469(7329):221-5.
論文名:A role for mitochondria in NLRP3 inflammasome activation.
著者:Zhou R, Yazdi AS, Menu P, Tschopp J.
所属:Department of Biochemistry, Center of Immunity and Infection, University of Lausanne, Chemin des Boveresses 155, CH-1066 Epalinges, Switzerland.

カロリー制限、長寿遺伝子とミトコンドリア
カロリー制限をすると長寿遺伝子のスイッチonされて、寿命が延びるという話を聞いたことのある人は多いでしょう。先日のNHKスペシャルの(6月12日放映)「あなたの寿命は延ばせる:発見!長寿遺伝子」では、カロリー制限によって長寿遺伝子が働き、長寿になれるという話がされました。人間には誰にでも長寿遺伝子が7つあります。その中の3つの長寿遺伝子によって作られる酵素はミトコンドリアの中で働いています。最近になって、長寿遺伝子によって作られるミトコンドリア酵素はエネルギーを有効に使うようにして長寿を達成できることが明らかになっています。さらに、活性酸素を消す役割も増強します。しかも、アミノ酸を有効に使ったり、アンモニアを排除するための大切な役割を果たしていることがわかりました。また、長寿遺伝子のなかでもっとも中心的な役割をはたしているSirT1はミトコンドリアを増やす働きがあり、たくさんある役割のなかでも最も受容な役割であることがわかりました。
カロリー制限と長寿遺伝子は、ミトコンドリアに働きかけていたのです。

学術雑誌:Aging (Albany NY). 2011 Jun;3(6):635-42.
論文名:SIRT1 and SIRT3 deacetylate homologous substrates: AceCS1,2 and HMGCS1,2.
著者:Hirschey MD, Shimazu T, Capra JA, Pollard KS, Verdin E.
所属:Gladstone Institute of Virology and Immunology, University of California, San Francisco, CA 94158, USA.

学術雑誌:Nature. 2010 Mar 4;464(7285):121-5.
論文名:SIRT3 regulates mitochondrial fatty-acid oxidation by reversible enzyme deacetylation.
著者:Hirschey MD, Shimazu T, Goetzman E, Jing E, Schwer B, Lombard DB, Grueter CA, Harris C, Biddinger S, Ilkayeva OR, Stevens RD, Li Y, Saha AK, Ruderman NB, Bain JR, Newgard CB, Farese RV Jr, Alt FW, Kahn CR, Verdin E.
所属:Gladstone Institute of Virology and Immunology, San Francisco, California 94158, USA.

学術雑誌:Cell. 2010 Nov 24;143(5):802-12.
論文名:Sirt3 mediates reduction of oxidative damage and prevention of age-related hearing loss under caloric restriction.
著者:Someya S, Yu W, Hallows WC, Xu J, Vann JM, Leeuwenburgh C, Tanokura M, Denu JM, Prolla TA.
所属:Departments of Genetics and Medical Genetics, University of Wisconsin, Madison, 53706, USA.

ミトコンドリアは老化を決める中心
アポトーシス、イースター島で発見された免疫抑制剤ラパマイシンとの関連も続々あきらかになっています。今まで、研究者の数だけ仮説があるとさえ言われてきた老化の原因です。でも、それらのほとんどが、ミトコンドリアを中心にして関与していることが解明されつつあるのです。ミトコンドリアを制する人は、老化を防げると言えるでしょう。


女性ホルモンとミトコンドリア


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2011年9月13日TBS放映の「教科書にのせたい」では、女性ホルモンが、活性酸素を減らすことと、ミトコンドリア自身を増やすことをお話しました。
まず、女性ホルモン(エストロジェン)が活性酸素を減らすメカニズムですが、女性ホルモン自身が活性酸素を減らすわけではありません。女性ホルモンは、活性酸素を減らす酵素を増やす働きがあるのです。しかも、その増やし方は巧みで、活性酸素が少なくなると活性酸素を減らす酵素を増やす働きも失われるのです。つまり、完全に活性酸素をなくしてしまうことはないのです。活性酸素には、いろいろな役割があって活性酸素を完全になくしてしまえばよいというものではないのです。うまく制御しながら活性酸素を減らすエストロジェンの働きは巧みで、そのために女性は長生きできるのです。下記の論文には、活性酸素は必要な役割をはたしていること、運動などによって増やすことができることなどが記されています。

学術雑誌:Free Radic Res. 2006 Feb;40(2):111-9.
論文名:Role of reactive oxygen species and (phyto)oestrogens in the modulation of adaptive response to stress.
著者:Vina J, Borras C, Gomez-Cabrera MC, Orr WC.
所属:Universidad de Valencia, Departamento de Fisiología, 46010, Valencia, Spain

エストロジェンにはもうひとつの役割、ミトコンドリアを増やす機構があります。この事実は最近の研究によって明らかにされたもので、私自身も最初に研究発表を聞いた時に、本当かな?と疑問に思ったものです。エストロジェンはミトコンドリアに直接働きかけてミトコンドリアを増やしてくれます。
専門家で、詳細を知りたい方は、 下記の論文をご覧ください。

学術雑誌名:Biochim Biophys Acta. 2009 Oct;1793(10):1540-70.
論文名:Regulation of mitochondrial respiratory chain biogenesis by estrogens/estrogen receptors and physiological, pathological and pharmacological implications.
著者:Chen JQ, Cammarata PR, Baines CP, Yager JD.
所属:Breast Cancer Research Laboratory, Fox Chase Cancer Center, Philadelphia, PA 19111, USA


TBSテレビ「教科書にのせたい!」に出演しました。


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2011年9月13日 TBSテレビ 教科書にのせたい!(18:56~20:56)に出演しました。
この時は、女性ホルモンが、活性酸素を減らすことと、ミトコンドリア自身を増やすことをお話しました。
またミトコンドリアが老化を決めていることもお話をしました。
詳しくは「女性ホルモンとミトコンドリア」と「ミトコンドリアが老化を決めている」とに記載しましたのでそちらを合わせてご覧ください


「体が若くなる技術」暮らし・健康・子育て分野100位以内120日間


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拙著「体が若くなる技術」暮らし・健康・子育てのベストセラー(アマゾンランキング)100位以内131日間 「ミトコンドリアのちから」科学・テクノロジーのベストセラー(アマゾンランキング)100位以内185日間 となりました。長期間にわたるご愛顧に感謝(2011年8月29日現在)申し上げます。


放射能による遺伝子の傷はどのくらい?


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放射線が危険だという方は、いくら微量の放射線でも遺伝子に傷をつけるのだから危険だと言います。ところが、放射線の影響が全くなくても遺伝子は毎日毎日傷ついているのです。
拙著「体が若くなる技術(サンマーク出版)」では、「私たちの遺伝子は『一日に10万カ所』も傷ついている」と書きました。そのなかで、放射線も遺伝子に傷をつける原因であることも書かれています。同時に、人間は傷ついた遺伝子を修復しているとも書きました。
では、放射線の影響がない場合の遺伝子の傷と放射線によって生じる遺伝子の数を比較してみましょう。下の表をみると一目瞭然。100ミリシーベルト程度の放射線によって生じる傷なら自然に生じている傷に比べて、わずかであることがわかります。

#13図-放射線と遺伝子

このような数字をきちんと見れば、微量の放射線をむやみに怖れる必要はないことがわかります。
関連事項は、「体が若くなる技術(サンマーク出版)」を読んでください。


食品の放射性汚染の目安: 暫定基準値よりも自分なりの基準を持とう


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お米の収穫期になりました。福島県の会津地方で収穫した稲穂には放射性物質が検出されなかったことで一安心です。

放射能には色も臭いもありませんし、放射線をあびたからといって痛さを感じるわけでもありません。私たちは五感によって放射線を感じることができないのです。得体のしれないものに対して、怖さを感じるのは当然のことです。でも、放射線は測定器によって測ることができます。そこで、放射線を正しく測定して、正しく知らせる・正しく知ることがなにより大切で、それが前提となります。

1.自分なりの基準を持とう

放射線の強さはシーベルト、放射性物質の多さはベクレルであらわされます。でも、◯◯シーベルトやXXベクレルと言われても多いのか少ないのか、危険なのか危険でないのか、わからなければ意味のない数字になってしまいます。
放射性物質には規制の基準として暫定基準値が今年の福島原発事故のあとに急遽決められましたが、困ったことに何を基準に決められたのかきちんとした説明がないので、この暫定基準値を超えると危険なのか、それとも大丈夫なのか、わからない状態になっています。
そこで、自分なりの基準を持つことが必要です。そのために、自然放射能と他のがんの要因と比較してみましょう。

2.外部被曝の自然放射能:宇宙から大地から

地球上では平均すると、宇宙からも大地からも、それぞれ年間0.39ミリシーベルト、0.48ミリシーベルトの放射線が注がれています。微量の放射線でも避けたいと思ってもそれは地球上で生きているかぎり無理なことなのです。
大地からの放射線の強さは地域によって違いがあって、世界には放射線の強い地域があり、そこにも多くの方が住んでいます。中国の陽江県年間3.5ミリシーベルト、インドのケララ州3.8ミリシーベルト、イランのサムール10.2ミリシーベルト、ブラジルのガラパリ5.5ミリシーベルトです。これらの数値は、地域の平均です。日本では大地からの放射線は比較的低く0.43ミリシーベルトです。
このように放射線が強い地域もあるのですが、発がんの頻度が多いことはなく、むしろ近くの地域に比べて、長寿の傾向にあります。 高地ですと宇宙からくる放射線が強くなり、飛行機に乗ると多くの放射線をあびることになります。このことから考えると、余分に年間10ミリシーベルトをあびても健康に悪影響があるとは考えられません。

3.内部被曝の自然放射能:空気から食べ物から:10,000ベクレル食べると0.13ミリシーベルト

空気中にも放射性気体ラドンがあり、それを吸って年間1.26ミリシーベルトの放射線をあびています。国内でも、ラドン温泉やラジウム温泉では、ラドンの放射線が強いのですが、例えば三朝温泉地域では発がん率がずっと低くなっています。

また、食物にも放射性物質が含まれており体内、の放射性物質を合計すると年間0.29ミリシーベルトの放射線をあびています。60kgの体重の方ですと、皆さん7,000ベクレルの放射性物資を必然的に内部に持っています。これは、核実験がなくても、原発事故がなくても自然界から必然的に摂取して体内に留まる量です。まず、自分たちが7,000ベクレルの放射性物質をもっているということを前提として、汚染した放射性物質の状況を考えれば感覚的に理解できるのではないかと思います。

内部被曝と外部被曝を合計すると、日本の平均は1.5ミリシーベルト、米国では3.0ミリシーベルト、世界の平均では2.4ミリシーベルトです。
放射線量と放射線物質の関係ですが、放射性セシウムの場合一度に10,000ベクレル食べると0.13ミリシーベルトの放射線を余分にうけることに対応します。ですから、年間10万ベクレル(一日270ベクレル)の放射性物質を日本で食べても、米国での生活よりも放射線をあびる合計量は少ないのです。

4.放射性物質はいつまでも体内には留まらない

内部被曝は怖いと主張される方がいます。そのときに、持ち出されるのがα線の被害です。放射線にはそれぞれ性質が違う種類があって、たしかに内部被曝で怖いのはα線です。しかし、放射性セシウムはα線を出しません。また、放射性ヨウ素もα線をだしません。
放射性セシウムの半減期は30年です。そのため放射性セシウムが一度体内に入ると30年間も体内に留まってしまうと誤解される方がたくさんいらっしゃいます。10歳の子供が放射性セシウムをとったら、それが半分になるのは40歳だと言うわけではないのです。セシウムは、水によく溶ける物質で、乳児なら10日、10歳の子供なら1ヶ月、大人なら70日で半分になります。10歳の子供が放射性セシウムを食べても、1年後には4000分の1になります。乳児や子供は放射線の影響も大きいのですが、排出する速度も速いのです。
放射性セシウムは、筋肉に「蓄積する」と言われることが多いのですが、蓄積するわけではなく、細胞の多いところにセシウムがあるだけと考えてください。「蓄積する」というと、いつまでも留まると誤解して不安になってしまいます。

5.個人的視点と公共的視点

1000ミリシーベルトあびると5%の人が余分にがんで死亡するというのが、広島・長崎の調査の結果です。もしもの仮定ですが、比例計算すると、10ミリシーベルト被曝すると、0.05%のかたが、がんで余分に死亡するという計算になります。日本では、年間110万人が死亡していますので、10ミリシーベルト余分にあびた人が日本人の10%とすると3.3万人が「がん」で死亡するところが55人が余分に「がん」で死亡し、合計33055人になります。これは、仮定を入れた計算ですが、計算であっても年間55人というのは、無視できない数字です。殺人事件で55人も殺されたら大事件ですし、食中毒で55人も死んだら大変です。また、交通事故で年間数千人死亡することを考えたら、その1%です。放射線の影響を多いと感じられる人と少ないと感じられる方がいるのではないでしょうか。
放射線を年間100ミリシーベルトあびたときに、「がんになる」というちゃんとした研究結果はありません。あるとしても影響が少ないので、「ある」のか「ない」のかはっきりできないのです。別の言い方をすれば、「はっきりしないくらい少ない」、ということです。
個人的に考えるときは、微量放射能のようなはっきりしない要因の場合は他の要因と比較して総合的に選択する。公共的な立場あるいは行政的な立場からは、仮定のある可能性であってもきちんと対処して安心を与えるという観点が大事だと思います。

6. 放射線の害はタバコと比べると非常に少ない

高線量の放射線は、がんの原因となりますので、がんの他の要因と放射線の影響を比較することができます。がんの発症原因は大規模研究から明確な結果がでていますので、これらを比較すれば、どの程度の害があるか感覚的に理解できるはずです。それぞれの原因と10ミリシーベルトをあびたときのがんになりやすさの比較をしました。ただし、10ミリシーベルトの影響は、1000ミリシーベルトの効果を比例計算したもので、10ミリシーベルトでがんになるという結果はありませんので、「〜〜以上」としました。
(1)喫煙の影響は10ミリシーベルトの200倍以上
(2)受動喫煙の影響は10倍以上(たばこ1日10本吸う人と同居)
(3)運動不足の影響30倍以上
(4)野菜不足の影響20倍以上

(4)ストレスは、定量化が難しいのですが私の推定では、200倍以上です。
受動喫煙では、タバコを1日10本吸う人が同居していると、年間100ミリシーベルト以上あびているのと同じということです。放射性セシウムに換算すると、770万ベクレル(1日2万ベクレル)以上になります。こう考えると、受動喫煙を含め喫煙の影響は放射線よりもはるかに大きいことがわかります。

まとめ

放射性セシウムの場合一度に1万ベクレル食べると0.13ミリシーベルトの放射線を余分にうけるに対応します。

年間10万ベクレルの放射性セシウムを日本で食べても、米国での生活よりも放射線をあびる量は少ないのです。

タバコを1日10本吸う人が同居していると、年間100ミリシーベルト以上あびているのと同じで、放射性セシウムを年間770万ベクレル食べるのと同じです。

乳児や子供は放射線の影響も大きいのですが、排出する速度も速いのです。


またも内部被曝の説明の悪さ


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(放射能:水素による防御 を合わせてご覧ください)。

今朝は憂鬱な朝だった。朝日新聞の1面トップの記事は間違った恐怖心を与えかねないものだったからだ。

福島の子ども、半数近くが甲状腺被曝 政府調査で判明
・・・・検査は3月24〜30日、いわき市と川俣町、飯舘村で0〜15歳の子どもを対象に実施した。原子力安全委員会が当時、精密検査が必要だと決めた基準は甲状腺被曝線量が毎時0.20マイクロシーベルト以上。1,150人のうち、条件が整い測定できた1,080人は全員、0.10マイクロシーベルト以下だった。この日、説明会には、検査を受けた子どもの保護者ら約50人が参加した。対策本部原子力被災者生活支援チームの福島靖正医療班長は「問題となるレベルではない」と説明した(新聞記事より抜粋)。

「問題となるレベルではない」という説明も載せてはいるが、「半数近くが甲状腺被曝」という見出しだけが一人歩きしかねない。
「あなたの内部被曝は、1時間あたり0.1マイクロシーベルトですから、問題となるレベルではない。」だけでなく、対策本部の担当者も新聞も、もう少し丁寧な説明ができないものか?
わかりやすい説明として、自然放射能による内部被曝と比べてどうかと説明するのがもっとも適切と思う。
自然放射性物質であるK-40は、人体中に必然的に約4000ベクレル(Bq)存在している。飲食で人体中に取り込まれるK-40は、1日あたり約50ベクレルだが、人体中の余分のカリウムが排出されるのに伴って同量が排出される。このK-40による年間の被ばく線量は、170マイクロシーベルト(0.17ミリシーベルト)。その他にも自然界に存在する放射性物質を毎日体にとりこんでいるので、体重60kgの人なら、7000ベクレルの放射性物質を必然的にもっている。これは、0.3ミリシーベルト相当し、地球で生きている限り避けることのできないもの(子供なら、その半分)である。
1時間あたり0.1マイクロシーベルトが3月30日なら、3月14日で、4倍の1時間あたり0.4マイクロシーベルトのはずで、合計被曝は30マイクロシーベルト程度になる。「自然放射能の内部被曝の1.2倍くらいになりました。」くらいの説明はして然るべきではないか!?