水素水が健常人の炎症性サイトカインを減少させる:水素水によるメタボへの健康増進効果

投稿者: | 2020年5月14日

Interleukin 6 (IL-6) とTumor necrosis factor alpha (TNF-a)は、炎症を引き起こす炎症性サイトカインです。新型コロナウイルスの感染によっておきるサイトカインストーム(免疫の暴走)は、炎症性サイトカインの急激な増加によって生じます。水素水の飲用によって日常的な生活で、健常人でも炎症性サイトカインが減少することがわかりました。

今年発表された軽度肥満の男女へ対するランダム化対照試験の結果についてお知らせします。

下の表は、高濃度水素水(HRW)とプラセボ水(placebo)を24週間飲んだ前(Baseline)と後(Follow Up)の結果を示します。
P*は、統計的な有意差で、0.05以下ですと95%の確率で確からしいという意味で、P=0.01、P=0.001は、99%、99.9%統計的に確からしいという意味です。Interleukin 6 (IL-6) とTumor necrosis factor alpha (TNF-a)では、それぞれ<0.01、<0.001ですので、水素水の飲用は、非常に強い効果があることがわかります。

 

論文名
メタボリックシンドロームの男性と女性へ対する24週間の高濃度水素水の飲用効果:無作為プラセボ比較試験による血中脂質プロファイルと炎症バイオマーカー(原著は英語)
発表学術誌:Diabetes Metab Syndr Obes, 2020年13号889-896ページ
論文要旨(原著は英文)
目的:メタボリックシンドロームは、脂質異常症、高血糖症、肥満などのいくつかの医学的危険因子に関連しており、世界的な課題になっています。この状態の後遺症は、心血管疾患や神経疾患のリスクを高め、死亡率を高めます。その病態生理は、レドックス調節不全、過剰な炎症、および細胞の恒常性の摂動に関連しています。水素分子(H2)は、酸化ストレスを緩和し、細胞機能を改善し、慢性炎症を軽減します。前臨床および臨床研究では、メタボリックシンドロームの特定の機能に対するH2豊富な水(HRW)の有望な効果が示されていますが、この一般的な状態での長期の高濃度HRWの効果は十分に対処されていません。
方法:メタボリックシンドロームの被験者60人(男性30人、女性30人)を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。 1週間の初期観察期間を使用してベースラインの臨床データを取得し、その後、プラセボまたは高濃度HRW(1日あたり5.5ミリモルを超えるH2)に24週間ランダム化しました。
結果:高濃度のHRWを補給すると、血中コレステロールとグルコースのレベルが大幅に低下し、血清ヘモグロビンA1cが低下し、プラセボと比較して炎症およびレドックス恒常性のバイオマーカーが改善されました(P <0.05)。さらに、H2はボディマスインデックスとウエスト/ヒップ比の穏やかな低下を促進する傾向がありました。
結論:私たちの結果は、高濃度HRWがメタボリックシンドロームの危険因子を軽減するための治療法として有望な効果をもたらす可能性があることをさらに確信させています。
The Effects of 24-Week, High-Concentration Hydrogen-Rich Water on Body Composition, Blood Lipid Profiles and Inflammation Biomarkers in Men and Women with Metabolic Syndrome: A Randomized Controlled Trial. Diabetes Metab Syndr Obes. 2020;13: 889-896

水素医学の学術論文のなかのいくつかの論文を紹介していきます。水素は病気の治療だけでなく、普通の人の健康増進にも寄与できることが、さらに明らかになってきました。
水素水については、水素が検出されない「自称水素水」や水素濃度が低い水素水が販売されていたために、水素水自体に効果がないと誤解した人も少なからずいたようです。水素がなかったり、低濃度だったりする場合は、効果がないのはあたりまえです。