地球アステク(9月22日「若返りの謎をトコトン科学」に出演しました。

投稿者: | 2011年11月16日

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2011年9月22日(木)BSジャパン 地球アステク  22:00〜22:30
「若返りの謎をトコトン科学!」に出演しました。経済アナリストの伊藤洋一さんと蒼あんな&れいなの姉妹と楽しい話ができました。蒼姉妹はいつもニコニコしてて、かわいいですね。すぐに熱烈ファンになってしまいました。
紹介した光るマウスは私の研究室で作製した世界で初めての遺伝子組み換えマウス。光るマウスは世界にたくさんありますが、酸化還元状態を感知して色が変わるマウスは世界で初めて。酸化状態はサビる方向。還元状態はそれを修復する方向です。しかも、ミトコンドリアの中と外を区別して、酸化還元状態を感知できる優れもの。今後の応用は非常に広いものになるでしょう。何を食べたらよいかも、すぐにわかる時代がくるかもしれません。
では、どうやって作ったかというと、ノーベル賞受賞した下村博士が発見したオワンくらげの緑色蛍光蛋白質の遺伝子を遺伝子組み換えで、酸化還元状態で蛍光の色が変化するようにして、遺伝子組み換え技術を使ってその遺伝子をマウスに組み込んで、光るようにしました。また、この緑色蛍光蛋白質はミトコンドリアに入るようにしたのと、ミトコンドリアの外にあるようにしたものを作製。さらに、筋肉やいろいろな臓器で光り方も違うように工夫してあります。番組では、このマウスは毛が生えていませんでしたが、毛の生えなくて、しかもメラニン色素が黒くならないマウスと掛け合わせました。こうすると皮膚の様子が直接観察できます。
酸化還元状態を感知して蛍光の色を変化させる方法として以下の工夫がされています。この緑色蛍光蛋白質の光る部分の近くに-S-S-結合(イオウとイオウの結合)ができるように遺伝子を操作しました。酸化した場合には-S-S-でしっかり固定されているけれど、還元されると-S-Sが切れて、-SH HS-となります。すると、固定していた糸が切れたようになり緑色蛍光蛋白質の性質が変化します。そして、その結果、蛍光の色が変わるというもの。ちょっと説明が難しいですが、今までの研究の英知と様々な工夫と、ものすごい労力と研究費とチームワークで作り出した物です。今後の成果をご期待ください。